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堂々巡りの意味や読み方!使い方の例文・由来・類義語・英語表記も!

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先日メールで、「こんな堂々巡りのやりとりしてても意味ない!」と怒られてしまいました。

正直、“堂々巡り”の意味がいまいちわからなかったのですが、相手が怒っていたので、どんな意味なのか聞くわけにもいかず、そのまま流してしまいました・・・

というわけで、今回は“堂々巡り”について調べていきたいと思います!

堂々巡りの意味や読み方は?

まずは、辞書で“堂々巡り”について調べていきます!

【堂々巡り】各辞書の意味
どうどう‐めぐり〔ダウダウ‐〕【堂堂巡り/堂堂▽回り】
1 祈願のために、仏堂などのまわりをぐるぐるまわること。
2 同じようなことが何度も繰り返され、進行しないこと。3 国会で投票によって議決するとき、議員が演壇上の投票箱に順次投票することの俗称。
(小学館『デジタル大辞泉』より)

どうどう めぐりだうだう-【堂堂巡り・堂堂回▽り】
①  祈願のため、社寺の堂の周りをまわること。
②  思考・議論などが同じことの繰り返しだけで少しも先へ進まないこと。
③  国会などの議会の採決で、全議員が順々に演壇上にある投票箱に投票すること。
④  遊戯の一。手をつなぎ丸い輪を作って一か所をぐるぐるまわるもの。
(三省堂『大辞林 第三版』より)

どうどうめぐり 【堂堂巡(り)・堂堂回り】
①同趣旨の議論のやりとりが繰り返されるだけで、進行が一向見られないこと。
②〔議会で〕重要案件の採決の時、議席から立った議員が一人ずつ順番に進んで演壇上の投票箱に白票や青票を入れること。
(三省堂『新明解国語辞典 第七版』)より)

“堂々巡り”は「どうどうめぐり」と読みます。
また、【堂堂巡り】【堂堂回り】といった、複数の表記のパターンがあるんですね!

意味も色々ありましたが、主に現在使われるのは、「同じことの繰り返しで物事が進まない」という意味ですね。

では自分なりに意味などをざっくりまとめてみます!

【堂々巡り】の意味と読み方のまとめ
<読み方>どうどうめぐり
<意味>
①同じようなことの繰り返しで、物事が進展しないこと
②祈願のために、仏像などの回りをぐるぐる回ること
③議会で行う採決の方法の一つ
④手をつないでぐるぐる回る子どもの遊び

堂々巡りの正しい使い方の例文は?

続いて、“堂々巡り”がどのように使われるのか確認してみたいと思います。

まずは辞書の例文を見ていきます。

【各辞書の例文】
「議論が―する」
(小学館『デジタル大辞泉』より)

「話し合いは-するばかりだ」
(三省堂『大辞林 第三版』より)

「両者の話し合いはこの日も―だった」
「対応策を練ったが、―で結論が出なかった」
(三省堂『新明解国語辞典 第七版』)より)

 

このような辞書の記載から、“堂々巡り”は【議論】【話し合い】に対して使われるのが一般的だと考えることができますね。

次に、実際の文章の中ではどのように使われるのかも調べてみましょう!

【実際に文中で用いられている例】
・考えれば考えるほど、堂々巡りをすればするほど、私は一人きりでした。
(石原慎太郎『生還』より)

・そんな、堂々巡りばかりの思考を続けているうちに、授業が終わる。
(貴志祐介『青の炎』より)

・一人で悶々もんもんと考えていても、堂々巡りになるのはわかっている。
(野村美月『文学少女シリーズ10 “文学少女”見習いの、初戀。』より)

・彼女は言葉を変えてその堂々巡りを何度も話した。
(角田光代『ピンク・バス』より)

堂々巡りの思考の中で、私はいつか眠りに落ちていた。
(板東眞砂子『蟲』より)

堂々巡りする思考に嫌気がさして、おれはいつしか傷のことを考えていた。
(馳星周『不夜城』より)

 

小説内で使用される“堂々巡り”は【思考】や【考え】に関する例が多いのが印象的ですね!

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堂々巡りの由来は?

では、“堂々巡り”はどのような語源のある言葉なのでしょうか?

・堂々巡りは、信徒や僧侶が願い事を叶えるために、神社や寺のお堂の周りを何度も回る儀式のことを言った。そこから同じことを繰り返し続けることを「堂々巡り」というようになった。
(『語源由来辞典』より)

・もと、祈願のため(儀式として)本尊や仏像の回りを数多く回る意
(三省堂『新明解国語辞典 第七版』)より)

といった記載などからそもそもは「信仰のために、信仰対象の回りをまわること」という意味のことばだったことがわかりました。

堂々巡りの類義語は?いたちごっことの違いも!

次に、“堂々巡り”と似た表現を調べてみたいと思います。

角川学芸出版『類語国語辞典』では【一進一退】【鼬(いたち)ごっこ】【空回り】【空転】といった表現が「物事がうまくはかどらないこと」という同じグループに分類されています。

それぞれの言葉の意味は

・一進一退・・・少し進んでは退くことを繰り返し、先に進まないこと
・鼬ごっこ・・・両方が同じような(くだらない)ことをして、事態が少しもよくならないこと
・空回り・・・することが目的から外れて、有効に生かされず発展しない
・空転・・・空回りに同じ
(以上 角川学芸出版『類語国語辞典』より)

 

類語の中でも「ぐるぐる回る」というニュアンスが感じられ、特に似たイメージのある【いたちごっこ】と【堂々巡り】は何が違うのでしょうか?

いたちごっこは意味の解説にも「両方が」とあるように、複数の人物や事柄の関係の中で進展がないことを示します。
一方、堂々巡りは複数の事柄との間でだけでなく、とある個人の頭の中や、一方的なおしゃべりなどの場合にも用いられます。
そのため、「寝ても覚めても何度も同じことを考えてしまい、いたちごっこだ」という表現はできませんが、「寝ても覚めても何度も同じことを考えてしまい、堂々巡りだ」とはいえますよね。

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堂々巡りの英語表記は?

では、英語にも“堂々めぐり”のような表現はあるのでしょうか?

“堂々巡り”ととても似た表現に【go in circles】【go round in circles】があります。これらは、

「ぐるぐる同じ所を巡る、努力の割には進歩しない、堂々巡りをする(「JMdict」より)」という意味です。

そもそも仏教などの信仰に起源をもつ“堂々巡り”という言葉が、信仰とは関係のなく英語表現でも「ぐるぐる回る」⇒「進展しない」という意味を持っているのは興味深いですね!

まとめ

最後に、今回のポイントをまとめてみたいと思います!

・“堂々巡り”は「どうどうめぐり」と読む。

・主に「同じようなことの繰り返しで、物事が進展しないこと」の意味で使われる。

・もともとは、信仰の為の行動から生まれたことば。

・似た言葉に“いたちごっこ”があるが、“堂々巡り”は【一人で】考える際や、言葉にする際にも用いることができる一方、“いたちごっこ”は、必ず【複数】の人や物事との関係性の中でしか使えないという違いがある。

今回はここまでです!

最後までお読みいただきありがとうございました!