言葉の意味

帰路につくの意味や使い方!例文や漢字の就く・着くはどちらが間違い?

先日、年配の方とメールをやり取りしていたところ、「無事、帰路に就きました」とご連絡を頂きました。

一瞬、”就く“はなんて読むんだろう?と考えてしまいました。

自分自身では、“帰路につく“という表現を使うことはなかなかないこともあって、あれ?”帰路に就く“って、”帰路に着く“じゃないのかなぁ?なんて、考えれば考えるほど、頭の中が大混乱。

よくわからなくなってきてしまったので、これを機に、”帰路につく“についてちゃんと調べてみたいと思います!

帰路につくの意味は?

まずは、“帰路”の意味を調べてみましたが、どの辞書も、拍子抜けするほどシンプルな解説でした。

  • 帰り道。帰途。(小学館 デジタル大辞泉)
  • かえりみち。帰途。(小学館 新選国語辞典 第八版)
  • 帰り道。戻り道。(三省堂 大辞林 第三版)
  • 帰るとき通る道。戻り道。帰る途中。(角川学芸出版 類語国語辞典)

つまり、単純に”帰路“は帰り道のことなんですね。

では、“つく”はどうでしょうか?“つく”には、今度は逆にとてもたくさんの意味があり、どの意味か探すのが大変でしたが、例文から推測する限り、

みずからある動作を始める。「帰路に―・く」「眠りに―・く」(小学館 デジタル大辞泉)

ある状態に身を置く。「帰国の途に―」「眠りに―」(小学館 新選国語辞典 第八版)

というように、“その状態になる”ということが”帰路につく“の表現で使われる”つく“の意味だと思われます。

ですので、

帰り道+その状態になる⇒帰っている

というのが、“帰路につく”の意味になります。

帰路につくの正しい使い方や例文は?

なかなか自分では使うことの少ない”帰路につく“という表現、みんなは普通に使うのかな?と思って辞書を見ていたら、”帰路“の項目に≪文章≫という注意書き(角川学芸出版 類語国語辞典)があるのを発見しました。

≪文章≫とは”文章語“のことで、「文章を書くときに用いられる言葉。」(三省堂 大辞林 第三版)のことなのだそうです。

つまり、文章を書くときに主に使う言葉で、話し言葉としてはあまり使わないということなのですね。

”帰路“を使い慣れないのは私だけじゃないとわかって、ちょっとホッとしました。

逆に言うと、普段の話し言葉の中で「今から帰路につくからさ~」なんていう風に使うのは、不自然ってことになりますよね。

“帰路につく”の使い方としては、

  • 急ぎ足で帰路につく。
  • 足取りも軽く帰路につく。

そのほかに“帰路”を使った表現としては

  • ゆるゆると帰路をたどる。
  • 脚力の及ぶ限り帰路を急ぐ。
    (以上4例文はいずれも 三省堂 てにをは連想語辞典 より)

という表現を見つけることができました。

ちなみに、「帰路を戻る」や、「帰路を帰る」といった表現は、“帰る”の意味が重複してしまうため、適切ではありません。

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帰路に就く・着くのどちらが間違い?

次は、私の一番はじめの疑問、”帰路に就く“と”帰路に着く“どちらが正しいの?という点について調べていきます!

・・・・と書こうと思ったのですが、実はここまで何回か辞書をひくうち、必ず、”帰路につく“には”就く“の漢字が当てられ、”着く“としているものは一つもなかったことから、これは、”帰路に就く“が正解なのだ!と気付いてしまいました。

でもなぜ、”着く“ではなくて”就く“なのでしょうか?それぞれの意味の違いから考えてみたいと思います。

【着く】(三省堂 大辞林 第三版より)

  1. 移動していってその場所に至る。「九時には会社に-・く」 「手紙が-・く」
  2. 体の一部がある所に届いて触れる。 「プールの底に足が-・かない」
  3. ある場所に身を置く。「席に-・く」

【就く】(小学館 新選国語辞典 第八版より)

  1. ある立場・地位に身を置く。「王位に―」
  2. ある状態に身を置く。「帰国の途に―」
  3. ある人に従い、指導を受ける。「よいコーチに―」

こうやって意味を見てみると、【着く】の③と【就く】の②のどちらもが”帰路につく“の意味と合いそうですが、この二つには、「移動し終わって、その場所」に【着く】のか「今、移動している状態」に【就く】のかという違いがあります。

ちょっとわかりにくい説明になってしまったかもしれませんが、【着く】には動き終わって、動きがないというニュアンスがある一方、【就く】には「今も動いている、もしくは今もその状態にある」というニュアンスがあるので、”帰路につく“では”就く“の漢字をあてるのが適切だと言えるのではないでしょうか。

帰路と帰途は同じ意味?違いはあるの?

“帰路”と似た言葉に”帰途“があります。どちらも”就く“という表現と組み合わせて使う点でも同じですよね。”帰路”と”帰途“には違いがあるのでしょうか?

“帰途”を調べていくと、

  • 帰りみち。帰路。「帰途につく」(小学館 デジタル大辞泉)
  • 帰る途中。帰りみち。帰路。 「 -につく」(三省堂 大辞林 第三版)

と帰途の意味としてとして”帰路“が使われているため、”帰路“と”帰途“は同じ意味合いで使える、といってよいと思います。

また、類語例解辞典(小学館)では、

「帰路」「帰途」は、「帰路につく」「帰途につく」の形で使われることが多く、帰るときに通る道、または帰る途中の意を表わす。

と、意味合いはほぼ同じだと解説しています。

しかし、“帰路”は「-を急ぐ」「-は陸路を選んだ」などの用法が自然な表現である一方、”帰途“でのそのような表現は不自然だと指摘しています。

ですので、”帰途“という言葉には”帰路“ほどの表現のバリエーションは無いと考えた方がよさそうです。

さらに、グーグルで”帰路“と”帰途“を検索してみると、“帰路”はヒット数が約 5,820,000 件で”ある一方、帰途“は約 1,210,000 件(2018年6月7日現在)と、”帰路“のほうが五倍近くのヒット数があることから、”帰路”の方がより一般的に使われている言葉と考えることできます。

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帰路につくの類語は?

それでは、”帰路“には”帰途“以外にどんな類語があるのでしょうか?

  • 帰り/帰り道/帰途/復路 (小学館 類語例解辞典)
  • 帰り道/復路/家路 (角川学芸出版 類語国語辞典 より)

などが、あげられます。

どれも「帰り道」の意味ですが、ニュアンスは少しずつ違うことがわかりますね。

それぞれのニュアンスにあった使い分けができたら素敵ですね!

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それでは、最後までお読みいただきありがとうございました!

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