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敵愾心の意味と読み方は?敵対心との違いから例文・類語・英語も!

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先日、ゲームキャラクターの人物紹介を読んでいたら、「敵愾心を抱く少年」と書かれていました。この“敵愾心”、私は初めて見た言葉でした。意味も読みも全くわかりません!

今回はこの“敵愾心”について調べてみたいと思います!

敵愾心の意味や読み方は?

では早速、辞書で“敵愾心”の意味と読みを確認したいと思います!

まずは、まったく見たことがない【愾】の漢字について調べてみます。

角川書店『角川新字源 改訂版』を見てみると

【愾】
<読み>キ・ガイ・キツ
<意味>
①ためいき、なげく
②いかる、いきどおる、激情がむねに満ちる敵愾心
③いたる(至る)

との記載があります。

“敵愾心”の際の【愾】は「いかる、いきどおる、激情がむねに満ちる」という意味になります!

続いて、“敵愾心”について各辞書で確認していきます!

【敵愾心】各辞書の意味

  • てきがい‐しん【敵×愾心】
    ・敵に対して抱く憤りや、争おうとする意気込み。
    (小学館『デジタル大辞泉』より)
  • てきがいしん【敵愾心】
    ・相手に対する憤りや闘争心。
    (三省堂『大辞林 第三版』より)
  • 敵愾心【てきがいしん】
    ・敵に対して怒りを持ち、これを倒そうとする気持ち。もと、君主の恨みを晴らそうとする気持ち。
    (ベネッセコーポレーション『ベネッセ国語辞典 電子特別編集版』より)
  • てきがいしん【敵愾心】
    ・〔「愾」は、君主の恨みの意〕あくまで敵と張り合い、これを倒そうとする闘志。

と、各辞書ではこのように記載されています。敵愾心”は「てきがいしんと読むんですね!

また、もともとは「君主の恨みをはらす」という意味を持つ言葉であったことがわかりました!

それでは、自分なりに意味をざっくりとまとめてみたいと思います!

【敵愾心】の意味と読み方のまとめ
<読み方>てきがいしん
<意味>敵や相手に対する憤りを持ち、倒そうとする闘争心

各辞書を見ていく中で、強い闘争心、憤りがある場合に使う言葉ということが分かります!

敵愾心の類語は?敵対心との違いも!

続いて、“敵愾心”の類語を確認してみましょう!

角川学芸出版『類語国語辞典』では【敵意】【敵視】【憎悪】【憎む】【敵対】といった単語が“敵愾心”と近い語として示されています。

これらの語はこの辞書では、〔心の底から憎むこと〕という意味の言葉を集めたグループに属しています。

また、特に似たように思える言葉に【敵対】に【心】を加えた【敵対心】がありますよね。

ベネッセコーポレーション『ベネッセ国語辞典 電子特別編集版』でも、“敵愾心”の類語として、【敵対心】が記載されています。

では、“敵愾心”と【敵対心】にはどのような違いがあるのでしょうか?

まず、簡単に【敵対】の意味を辞書で確認したいと思います。

【敵対】の意味

・相手を敵とみなして対抗すること。敵としてはむかうこと。
「二派に分かれて敵対する」「敵対心」
(小学館『デジタル大辞泉』より)

・敵として立ち向かうこと。対抗すること。
「互いに-する両陣営」 「 -意識」
(三省堂『大辞林 第三版』)

かなり“敵愾心”と似た印象ですね。

ただ、私自身は、二つのことばの意味を比較してみて、それぞれが一番強く訴えたい意味は、

【敵愾心】倒そうとする闘争心
【敵対心】相手を敵だと意識する気持ち

という違いがあるようです。

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敵愾心の正しい使い方の例文は?

それでは、“敵愾心”はどのように使えばよいのでしょうか。

まずは辞書の例文を見ていきます。

【敵愾心の使い方-各辞書の例文-】

  • 「敵愾心を燃やす
    (小学館『デジタル大辞泉』より)
  • 「はげしい-をもやす
    (三省堂『大辞林 第三版』より)
  • 「―に燃える
    (ベネッセコーポレーション『ベネッセ国語辞典 電子特別編集版』より)

どれもそろって、【燃やす】【燃える】という表現と共に使っています。このことから、敵愾心”は【燃やす】と共に使うことが代表的な表現だと考えられます!

では、続いて、実際の文章の中ではどのように使われるのかも見てみたいと思います。

【敵愾心の使い方-実際に文中で用いられている例-】

  • 詩織はわざと正面に立って、丁寧にお辞儀をしてやった。 警察に対する敵愾心のようなものが、彼女の気持ちを占めていた。
    (内田康夫『浅見光彦殺人事件』より)
  • 目色、毛色が違うという事が、これほどまでに敵愾心起させるものか。滅茶苦茶に、ぶん殴りたい。
    (太宰治『女生徒』より)
  • それは如何にも自信あり気に見えて、帆村探偵の敵愾心燃えあがらせた。
    (海野十三『麻雀殺人事件』より)
  • 自分は兄をそれだけ軽蔑しはじめたのである。席を立つ時などは多少彼に対する敵愾心さえ起こった
    (夏目漱石『行人』より)
  • 敵と呼ぶべきものに対して敵愾心抱いていたものは誰があっただろうか。
    (横光利一『夜の靴』より)

実際に使用されている例を見てみると、【燃やす】だけでなく、【起こさせる】【抱く】など色々な表現のバリエーションがあることがわかります!

敵愾心の英語表記は?

それでは次に、“敵愾心”を英語での表現を確認してみましょう!

研究社『新和英中辞典』では、“敵愾心”の訳として

  • hostility・・・ 敵意、敵性、敵対(行為)、戦争行為、交戦
  • hostile (feelings)・・・敵の、敵国の、敵意のある(気持ち)
  • animosity・・・敵意、強い憎しみ、恨み
  • enmity・・・敵意、恨み、対立

を記載しています。

【hostility】は【hostile】の変化した形ですね。また、【enmity】は【enemy=敵】がもともとの形です。

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まとめ

それでは最後に、今回のポイントをまとめたいと思います!

・“敵愾心”の読み方は「てきがいしん

・“敵愾心”は「敵や相手に対する憤りを持ち、倒そうとする闘争心」という意味

・類語には【憎悪】【憎む】【敵対心】などがある

それでは最後までお読みいただきありがとうございました!