言葉の意味

呆然の意味や読み方!正しい使い方の例文や類語・茫然との違いも!


昨日、友達から、「冷蔵庫が壊れて呆然としてる!」と連絡が来ました。

「そうなんだー大変だねー」なんて何食わぬ風を装って返信したんですが、実は、“呆然”を何と読んでいいのかわからず・・・
今回は“呆然”について、いろいろと調べてみたいと思います!

呆然の意味や読み方は?

まずは、“呆然”の【呆】の字について調べてみたいと思います。

【呆】ボウ
①おろか。ぼんやり。あほう。
②あきれる。事の意外なのにおどろく。「呆然(ぼうぜん)」 (角川書店『角川新字源改訂版』より)

とありました。
“呆然”は「ぼうぜん」と読むんですね!

また、【然】は「状態を表わす形容詞のあとにそえることば」(角川書店『角川新字源改訂版』より)という役割があります。【然】については、“悄然”の意味調べのページ に詳しく書いてあります!

漢字の意味合いをおさえたところで、つぎは“呆然”の意味を調べていきたいと思います。

  • 予想もしないことに出会ってあっけにとられるさま。あきれはててものも言えないさま。気抜けしたようにぼんやりするさま。(三省堂『大辞林 第三版』)
  • 気がぬけてぼんやりしたようす。また、あっけにとられて、ぼんやりしたようす。
    (ベネッセコーポレーション『ベネッセ国語辞典 電子特別編集版』)
  • 1 あっけにとられているさま。
    2 気抜けしてぼんやりしているさま。  (小学館『デジタル大辞泉』)

どの辞書にも共通して解説があることから、ざっくりと、“呆然”は「あっけにとられているようす」「ぼんやりするようす」ととらえればいいようです!

これは、ほぼ【呆】の漢字の意味と一緒ですよね!

ちなみに、「あっけにとられる」は「呆気にとられる」と漢字では表し、「意外な事に出会って驚き呆れる。」(三省堂『大辞林 第三版』)という意味だそうです。

呆然の正しい使い方の例文は?

では、具体的にはどのように“呆然”という表現を使えばいいのでしょうか?

  • 「あまりの有り様に-とする」(三省堂『大辞林 第三版』)
  • 「呆然として声も出ない。」「あまりにもひどい有り様に呆然と立ちすくむ。」(あすとろ出版『 同じ読みで意味の違う言葉の辞典 』)
  • 「―と立ちつくす」(ベネッセコーポレーション『ベネッセ国語辞典 電子特別編集版』)
  • 「意外な成り行きに呆然とする」「ひとり残され呆然と立ちつくす」(小学館『デジタル大辞泉』)

というような例文が辞書では紹介されていました。

辞書の意味だけから考えると予期せぬ嬉しいことにも“呆然”という表現を使えそうな感じがしてしまいますが、実際に例文を見てみると、“呆然”は「嬉しくないこと」「ひどいと感じること」に対して使われていることがわかります。

ですので、「サプライズで誕生日ケーキをもらって呆然とした」という表現を使ってしまうと、【嬉しい】というニュアンスがなく、不自然ですし、あえて“呆然”という表現を使うとむしろ【嫌だった】ととられかねませんので、注意して使わなければいけないなと思いました!

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呆然の類語は?

それでは、“呆然”にはどんな類語があるのでしょうか?

  • 茫然(ぼうぜん)・・・気抜けがして、収拾がつかずぼんやりしたさま
  • 唖然(あぜん)・・・あきれて言葉の出ないさま
  • 開いた口が塞(ふさ)がらない・・・驚いて呆然とするさま
    (以上 角川学芸出版『類語国語辞典』より)
  • 言葉がでない
  • 言葉を失った
  • あんぐり
    (以上『Weblio類語辞書』より)

というような表現が紹介されていました!
どの表現も

想定外の出来事⇒驚く・あきれる⇒思考停止

という状態を表している点で、共通していますよね。

呆然と茫然の違いは?

では、とても似て感じる、“呆然”と“茫然”。読みまで一緒ですが、どのように使い分ければいいのでしょうか?

角川学芸出版『類語国語辞典』には

・「茫然」は本来、遠くはるかで取りとめのないないさまをいう。「彼の前には茫然たる未来がある」。「呆然」は、ことの意外さにあきれてものも言えず、ぼうっとするさま。

という注釈がありました。
何となくわかるような・・・でもわからないような。
もう少し、“茫然”を調べてみたいと思います。

①広大なさま。また、とりとめのないさま。判然としないさま。
②⇒呆然に同じ。(岩波書店『広辞苑 第五版』)
①とりとめがなく、漠然としているようす。
②気抜けして、ぼんやりとしているようす。呆然。(小学館『新明解国語辞典 第八版』)
※三省堂『新明解国語辞典』では、呆然・茫然は同一の言葉の漢字の違いとして掲載

これらから見てみると、“呆然”の意味に加えて、「広大・漠然としている」という意味も持っているのが“茫然”と考えてよさそうです。
ですので、

「前途は呆然として」⇒×
「前途は茫然として」⇒〇

となります。

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茫然自失と呆然自失はどちらが正しい?

最後に、“茫然自失”と“呆然自失”ではどちらが正しいのか調べてみたいと思います。

ちなみに、【ぼうぜんじしつ】は「おどろきなどのあまり、気抜けして、ぼんやりしているようす。」(小学館『新選国語辞典 第八版)という意味だそうです。

それでは、様々な辞書を見ながら、どちらの漢字をあてるほうが適切か考えていきたいと思います。
各辞書を“ぼうぜんじしつ”でひいていくと・・・

【茫然自失】のみを載せている辞書
小学館『新選国語辞典 第八版』/角川学芸出版『類語国語辞典』/小学館『デジタル大辞泉』/三省堂『大辞林 第三版』

 

【茫然自失】【呆然自失】どちらとも掲載をしている辞書
・三省堂『新明解国語辞典 第七版』⇒この辞書では、上でも見た通り、【呆然】と【茫然】を区別せず、同一の見出しとして扱っています。

・角川書店『角川新字源』⇒「茫然自失」の項に、“同:呆然自失”と表記があります。

 

【呆然自失】のみを載せている辞書
なし

 

という結果になりました。
これは、あくまでも私が調べられた範囲で・・・ではありますが、以上のことから、“呆然自失”も完全に誤りとは言えないけれど、“茫然自失”を使用した方が無難なのではないだろうかと思いました!

では、最後までお読みいただきありがとうございました!

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