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無骨の意味と読み方は?例文から類語・対義語や武骨との違いも!

先日、収納ボックスを探していたら、“無骨なデザインで男の隠れ家感を演出!”という謳い文句の素敵な商品を見つけました。

…でも、待てよ。“無骨なデザイン”ってよくよく考えると、正直、意味が分かってないぞ、自分。

ということで、無骨についていろいろ調べてみたいと思います!

無骨の意味や読み方は?

まずは、辞書で“無骨”の意味を色んな辞書で確認したいと思います。

  1. 骨ばってごつごつしていること。また、そのさま。
  2. 洗練されていないこと。無作法なこと。また、そのさま。
  3. 役に立たないこと。才のないこと。また、そのさま。「我―なりといへども…君王の死を救ひ」〈曽我・五〉
  4. 都合の悪いこと。また、そのさま。「(御遊 (ぎょゆう) ノ興ヲ)さましまゐらせんも―なるべしとて」〈平治・上〉
    (小学館『デジタル大辞泉』)

 

  1. ごつごつと骨張っている・こと(さま)。
  2. 礼儀作法をわきまえていないこと。洗練されていないこと。また、そのさま。
  3. 具合が悪い・こと(さま)。「競が宿所は大将の向ひなれば、つげてはなかなか-なり/盛衰記 14」
  4. 役に立たない・こと(さま)。 「我-なりといへども、呉王をあざむきて君王の死をすくひ/曽我 5」
    (三省堂『大辞林 第三版』)
  • 粗削りであったりスマートでなかったりなどして、一見、抵抗を禁じ得ない様子。(三省堂『新明解国語辞典 第七版』)
  • 無作法。洗練されていないこと(角川学芸出版『類語国語辞典』より)

このような意味が“無骨”にはあるのですね。

ちなみに、③④の意味合いでは、どちらの辞書でも例文を古典からとっているので、今現在の使い方としては、ざっくり、“無骨”は「骨ばっているさま」「洗練されていないこと」と覚えておけばよさそうですね!

また、読み方については

  • 武骨・無骨(読み)ぶこつ(三省堂『大辞林 第三版』)
  • 無骨・武骨【ぶこつ(ベネッセコーポレーション『ベネッセ国語辞典 電子特別編集版 』)

と、どの辞書でもぶこつと読んでいました!

無骨の正しい使い方の例文は?

では、“無骨”は具体的にはどのように使えばいいのでしょうか?

引き続き、辞書を見ていきたいと思います!

  • 「芸事一つ知らない―者」「―な手つきで料理する」(角川学芸出版『類語国語辞典』より)
  • 「-一点張り・―者」(三省堂『新明解国語辞典 第七版』)
  • 「節くれだった―な手」「―な振る舞い」(小学館『デジタル大辞泉』)
  • 「―者」(ベネッセコーポレーション『ベネッセ国語辞典 電子特別編集版 』)

例文を見てみると、「骨ばった」という意味は「手」に対して使われることが、また、「洗練されていない」という意味では、【者】とくっつけて、“無骨者”という表現で使われることが多いですね!

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無骨の類語は?

それでは、“無骨”と同じような使い方のできる表現にはどんなものがあるのでしょうか?

「骨ばった」「洗練されていない」それぞれの意味で調べてみたいと思います。

まず、“無骨”を「骨ばった」という意味合いで使う場合の類語には

  • ごつごつ(角川学芸出版『類語国語辞典』)
  • ごつい(情報通信研究機構「日本語WordNet」)
「洗練されていない」という意味合いで使う場合の類語には
  • 無粋…人間の情味を理解しないこと
  • 野暮(やぼ)…世情や遊里の事情に通じていないこと。洗練されていないこと。
  • 野暮天(やぼてん)…たいそうやぼなこと。そのひと。
    (以上3例 角川学芸出版『類語国語辞典』)
  • 不作法
  • 不躾け(ぶしつけ)
    (以上2例 情報通信研究機構「日本語WordNet」より)

といった表現があげられるようです。

無骨の対義語は?

それでは次に、“無骨”の反対の意味を持つ言葉を探してみたいと思います。

  • 粋(いき)…人情に通じていること。特に異性関係にさばけていること。
  • 粋(すい)…花柳界の事情に通じていること⇔野暮・無粋
    (以上2例 角川学芸出版『類語国語辞典』)

また、これまで見てきた、各辞書の“無骨”の意味解説の中で「-でないこと」という形で使われている、

  • 洗練
  • スマート

といった表現も“無骨”の対義語といえますね!

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無骨と武骨の違いは?

これまでいろいろ調べる中で、“ぶこつ”には【無骨】と【武骨】両方の書き方があることに気が付きました。

【無骨】と【武骨】には違いがあるのでしょうか?

三省堂『新明解国語辞典 第七版』では、

・ぶこつ【武骨・無骨】

 

と両方を併記していますが、この言葉の由来として

〔もと、無作法の意の「骨無コチナシ」を(中略)返読(かえりよみ)させたもの〕と解説しています。

また、三省堂『大辞林 第三版』でも

・ぶこつ【武骨・無骨】

 

「こちなし」の漢字表記「無骨」を音読みした語

と書いてありました。

さらに、小学館『デジタル大辞泉』でも

・ぶ‐こつ【無骨/武骨】

 

「骨 (こち) 無し」を音読みにした語》

と、【無骨】と【武骨】を意味的に分けた記載はありませんでした。

また、

  • 仁王さまの掌(て)のような、いかにも無骨なカツレツ。
    (池波 正太郎「食卓の情景」より)
  • ただ豚肉をぶった切って揚げたにすぎないという、山の湯の宿の武骨なカツレツ。
    (池波正太郎「むかしの味」より)

 

といったように、同じ著者でもカツレツに対して【無骨】【武骨】の両方を使っているといった例からも、【無骨】と【武骨】は意味の差はないと考えていいようです

ですので、古くは、

・こち‐な・し【骨無し】

  1. 不作法である。無礼だ。
  2. 無骨だ。無風流だ。

という表現で使われていた“骨無し(こちなし)”が、【ぶこつ】と読まれるようになり、その後【武骨】の字もあてられるようになったのではないかと推測できます!

無骨の英語表記は?

それでは最後に、“無骨”を英語ではどのように表現すればいいのか調べたいと思います。

  • rough
  • uncouth
  • boorish    (以上 研究社『新和英中辞典』より)

 

などの単語が辞書ではあげられていました。

【rough】は【ラフプレー】などの和製英語でもなじみのある言葉ですね!

はじめは、「ごつごつして骨っぽい」のに「無骨」と表現するのはなんだか逆の意味っぽいなぁと思っていいたのですが、調べていくうちに由来などがわかり、腑に落ちました!

ちなみに、【骨】という漢字には「ひとがら・気品」という意味(角川書店『角川新字源』より)もあるとのことなので、そう考えると、“無骨”が「洗練されていない」という意味を持つのも納得できました!

それでは、長くなってしまいましたが、最後までお読みいただきありがとうございました!

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