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寄与の意味や使い方の例文!類義語(言い換え)や貢献との違いも!

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「我々の仕事が人々の生活向上に寄与するように・・・」と先日、偉い人が言っていたのですが、”寄与する“って自分ではあまり使わない表現です。

今回はあまり馴染みのない”寄与“について調べてみたいと思います!

寄与の意味は?

まずは、辞書で寄与の読み方と意味を確認します!

【寄与】各辞書の意味
・社会や人のために役に立つこと。貢献。
(小学館『デジタル大辞泉』)

・役に立つことを行うこと。
(ベネッセコーポレーション「ベネッセ国語辞典 電子特別編集版」)

・同時代および後代の人の生活向上や、社会・国家の発展のために役立つこと。貢献。
(三省堂『新明解国語辞典 第七版』)

① 力を尽くして社会や人のために役に立つこと。貢献。
② 物事のある変化に影響を与えること。
③ おくりあたえること。
(三省堂『大辞林 第三版』)

『大辞林 第三版』の①②の意味合いは、他の辞書では厳密に分けられていませんでした。「人の役に立つことを行った結果、状況が好転すること」と、①②の意味合いはまとめてとらえることもできますよね。

また、③の意味合いは、〔節用集 文明本〕との注釈があったため、現在は一般的ではない使い方だと考えられます。ちなみに『節用集』は室町時代から昭和初期に編纂されていた辞典の一種だそうです。

【寄与】意味をまとめると・・

<読み方>

きよ

<意味>

・社会の発展や人々の生活向上のために役立つこと。貢献。

『大辞林 第三版』の意味の解説からは、元々は「おくり与える」=「立場の上のものが下の者に与える」という意味だったものが、「尽力して社会に役立つ」=「上下関係に関わらず、人々によい影響を与える」という意味へと、“寄与”の言葉の意味が広がっていったことが垣間見られ、興味深いですね!

寄与の正しい使い方の例文は?

では、“寄与”は具体的にはどのように使えばよいのでしょうか?

【各辞書の例文】

  • 「世界平和に寄与する」(小学館『デジタル大辞泉』)
  • 「-するところ大である」(三省堂『新明解国語辞典 第七版』)
  • 「国際交流に-する」
  • 「町の振興に-する」(以上2例文 三省堂『てにをは連想表現辞典』)
  • 「医学の発展に-する」(三省堂『大辞林 第三版』/ベネッセコーポレーション「ベネッセ国語辞典 電子特別編集版」)

『大辞林』『ベネッセ国語辞典』共に例として用いていることから、「医学の発展に寄与する」という表現は、とても代表的な使われ方だとわかりますね!

そして、どの例文でも「する」という表現と共に使われているのが印象的です。

では、続いて、実際の文章で使われている例を見てみたいと思います。

【実際に文中で用いられている例】

  • そのものとして成功していても、未来の文化のために寄与する価値をもたないものもある。(宮本百合子「こういう月評が欲しい」より)
  • アメリカにおけるトヨタの高級車販売ブランド「レクサス」の普及に大きく寄与した。(小学館『デジタル大辞泉プラス』〔セルシオ〕の説明より)
  • 言語の科学的研究の進歩・発展に寄与することを目的として活動を続けている全国的規模の学会。(『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』〔日本言語学会〕の説明より)
  • 比較的温暖で,北極海の気候温暖化に寄与するといわれる。(『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』〔西スピッツベルゲン海流〕の説明より)

こちらでもやはり、「する」「した」という表現と共に用いられている例ばかりなのが印象的です。

また、最後の例だけは、ただ単に、「変化に影響を与える」という意味で使われており、「寄与」の結果「状況が好転する」という使われ方でないのは面白いですね!

ただ上のような例がないわけではないものの、やはり、寄与“には「状況を好転させる・発展させる」という意味があることは間違いありませんので、使い方には注意が必要ですね!

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寄与の類義語(言い換え)は?貢献との違いも!

では、”寄与“はどのような表現と言い換えられるのでしょうか?

ここまで調べてきた中で、「ベネッセ国語辞典 電子特別編集版」では、類語として“貢献”を明記していました。

また、各辞書でも、意味説明の文末に(同様の意味の言葉として)“貢献”を記述していることから、やはり、”貢献“が類義語であることは間違いがないです!

他には・・・

  • 献身(けんしん)
  • 貢献(こうけん)
  • 尽力(じんりょく)

といった言葉が類義語として紹介されています。(小学館『デジタル大辞泉』より)

では、“寄与”と“貢献”にはどのような違いがあるのでしょうか?

貢献の意味を確認してみると

【貢献】こうけん
1 ある物事や社会のために役立つように尽力すること。「学界の発展に貢献する」「貢献度」
2 貢ぎ物を奉ること。また、その品物。
(小学館『デジタル大辞泉』)
・〔みつぎものを奉る意〕その物事の発展・繁栄に役立つような何かをすること。「世界平和に―する」
(三省堂『新明解国語辞典 第七版』)

といった説明がありました。

これらを見ると、意味合い的には“寄与”も“貢献”もほぼ同じだと言えます。

ただし、“貢献”は〔みつぎものを奉る意〕とあるように、「目下の人が目上の人に差し上げる」という意味が元にあります。

つまり、そもそもは「上から下へ与える」という意味だった“寄与”と「下から上へ差し上げる」という意味だった“貢献”では、成り立ちの面では真逆です。

このことから、自分自身や自社に関する事に使う場合は“貢献”、他者や他社に関する事には“寄与”を使う方が間違いがない、と考えることもできますよね。

寄与の英語表記は?

最後に、“寄与”は英語でどう表現するのか見ていきましょう!

【a contribution ((to))】を用いた表現の例

・His report will be a great contribution to future research.

〔彼の発表が今後の研究に寄与するところは大きい〕

・He contributed greatly to the economic development of Japan.

〔彼は日本の経済発展に大いに寄与した〕
(以上小学館『プログレッシブ和英中辞典』より)

 

他には、【help】【made for】といった表現を使った例もありました。

・He helped spread learning. 〔彼は学問の普及に寄与した〕
(「Eゲイト英和辞典」より)

・It will make for the society. 〔それは社会に寄与するのだ〕
(「Tanaka Corpus」より)

“寄与”というと日本語では固い表現ですが、英語ではなじみ深い単語で表現できるのは面白いですね!

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まとめ

最後に、今回調べたことのポイントをまとめてみました。

  • ”寄与(きよ)“はざっくり「社会の発展や人々の生活向上のために役立つこと」の意味。
  • “寄与”と“貢献”はほぼ同じ意味。ただし、成り立ちは真逆。
  • ”寄与“には元々「上の人から下の者へ与える」という意味のため、使う際はそのニュアンスがあることを考慮する。

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました!

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