「田中さんにはツテがあるから、聞いておいてあげるよ」
そんな言葉を先輩から掛けられ、ふと気になりました。”ツテ”って、どういう意味なんだろう?もちろん田中さんと先輩に面識がある、という意味はわかるんだけど、”ツテ”という、全く漢字が思い浮かばない言葉がとても気になり、調べてみました。
すると、聞けば納得の、ツテの漢字や、似た意味を持つコネとの違いなど、色んな事が分かってとてもスッキリすることができたんで、解説していきます。
ツテの意味
ツテの漢字表記は、”伝手”もしくは”伝”
”ツテ”の漢字表記は、伝手もしくは伝で、”伝”一文字だけでも”ツテ”と読むそうです。”伝”一文字だけで、そんな読み方するなんて知りませんでしたが、ちゃんと辞書にも、
伝 音読み:デン 訓読み:つたわる、つたえる、つたう、つて
と書いてありました。
更に、ツテがあるの意味も辞書を引くと、
- 人や国などと深い関係を持っていること
- ある業界や組織の内部に協力的な知人がいること
という繋がりを持っていることを表すものでした。なので個人的には、ツテがあるよりも、デンがあると言った方がイメージしやすいですね。あくまでイメージですが、伝言ゲームのように、連絡を取り合える、繋がりのある人がいる状態のことを指します。
コネの意味
コネは英語のコネクション(繋がり)から来ている
「ツテ、コネをフルに使って、仕事をとってこい!」
なんて、ちょっと古いドラマに出てくる課長が言いそうなセリフですが、ツテと似た意味の言葉にコネがありますね。
コネ入社など、なんとなく悪いニュアンスで使われることが多い言葉ですが、これは英語のconnection(コネクション)から来ています。connectionの意味を辞書で引くとたくさんあるのですが、代表的な2つは、
- 繋ぐこと、繋がり、連結(部)、結合(部)、接続(部)
- 通信、連絡
となっており、こちらも繋がりを表す”ツテ”と同じような意味で使われていますね。実際に、ツテを英訳すると、候補の中に、connectionという単語も出てきます。すっかり日本語として定着している、”コネ”ですが、元々は英語だというのは中々面白いですね。コネという言葉を使っているのは、サラリーマンが多いですから、ビジネス用語として使われだしたのかもしれませんね。
ツテとコネの違いや使い方
ツテは辿るもの、コネは作るもの
では、”ツテ”と”コネ”が全く同じ意味なのか?と言われると、そんな事はありません。
”コネを作れ!”と言われることはあっても、”ツテを作れ!”と言う人はいません。これは日本語と英語の表現の違いから来ています。昔、本で学んだ内容ですが、簡単に紹介します。
日本人は、地震、台風、津波、、など様々な自然災害の中で生きてきたので、”あるがままにを受け入れる”という発想が強いです。ですので、糸のような見えない繋がりがあちこちに合って、その繋がりをツタう(辿る)ことによって人と人は出会うことができるという考え方です。つまり、”ツテ”は作るものではなく、元々あるものを辿るものなんです。
それに対してアメリカでは、西部開拓時代など、自分たちの力で領地を広げて来た歴史をもつように、自分たちの力で世界を変えるんだという、思想が強いです。ですので、人と人の繋がりも、最初はないところから、自分の力で作る=コネを作るという発想になって行くんですね。
ツテの言い換え
ツテとコネの言葉の背景を知れば使い分けは簡単
先ほど、説明した、コネは作る、ツテは辿るという考え方を持てば、使い分けは簡単です。
〇ツテを辿る
×コネを辿る
⇒これは先ほど説明した内容まんまですね。コネは辿れません。自分で作るものです(笑)
同様に、ツテは作れないので、下のようになります。
×ツテを作る
〇コネを作る
最後は、こんな例文です。