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怪訝の意味や読み方!正しい使い方の例文や類語・英語表記も!

先日、森鴎外の『雁』を読んでいたところ、「梅は怪訝(かいが)の目をみはった」という一文がありました。

あれ?“怪訝”は「けげん」って読むんじゃなかったっけ?と記憶があいまい・・・そんなわけで、今回は“怪訝”について調べてみたいと思います!

怪訝の意味や読み方は?読み方が2つある?

まずは、【かいが】【けげん】の両方の読みで辞書をひいてみたいと思います!

  • 小学館『デジタル大辞泉』より
    【かい‐が】納得がいかず、けげんに思うこと。
    【け‐げん】不思議で納得がいかないこと。また、そのさま。
  • 三省堂『大辞林 第三版』より
    【かいが】あやしみいぶかること。不思議に思うこと。けげん。
    【けげん】 訳がわからなくて、変だと思うさま。不思議そうにするさま。
  • 三省堂『新明解国語辞典 第七版』より
    【かいが】そんな事は有りえないことだと、限り無く疑わしく思うこと。⇒けげん
    【けげん】そんな事が実際にある(あった)のかというように不思議がる様子。
  • 小学館『新選国語辞典 第八版』より
    【かいが】・・・記載なし
    【けげん】何となく疑わしく、がてんがいかないようす。
  • ベネッセ『ベネッセ国語辞典 電子特別編集版』より
    【かいが】・・・記載なし
    【けげん】理由や事情がわからず、納得のいかないようす。

このように、【かいが】の読みは、載っている辞書と載っていない辞書がありました。

一方、【けげん】は調べた辞書にはどれも記載がありました。

このことから、けげん】と読む方が一般的であることが分かります。

また、意味はどちらの読みの場合でも「不思議に思う」「納得がいかない」という点で共通していますよね。(ただし、三省堂『新明解国語辞典 第七版』の解説は、【かいが】の方がより強く疑いを持つニュアンスがあるように読み取ることもできます。)

怪訝の正しい使い方の例文は?

では実際には、“怪訝”はどのように使えばいいのでしょうか?

【けげん】と読む場合の各辞書の例文を見ていきたいと思います!

  • 「怪訝なをする」「怪訝そうにじろじろ見る(小学館『デジタル大辞泉』
  • 「 -そうに尋ねる」 「 -なをする」(三省堂『大辞林 第三版』)
  • 「―なつき」(ベネッセ『ベネッセ国語辞典 電子特別編集版』)
  • 「―なつき」(小学館『新選国語辞典 第八版』)
  • 「―な目で見つめられる(三省堂『新明解国語辞典 第七版』)

ほとんどが顔つき、表情に対しての例文ですね!

では、【かいが】と読む場合はどうでしょう。

辞書の中では例文を見つけられなかったので、文学作品の中での使われ方を見てみたいと思います。

  • 「それを分析したら、怪訝が五分に厭嫌(えんけん)が五分であろう。」(森鴎外『余興』より)
  • 「運命に、怪訝の念を持つかも知れない。」(芥川竜之介『猿蟹合戦』より)
  • ・わしも怪訝に堪えんもんで、(中略)さぐりを入れると」(泉鏡花『日本橋』より)
  • 「皆怪訝するとともに喜んだ」(森鴎外『安井夫人』)

例文を見つけられたのはどれも、戦前に活躍した作家の作品でした。

そのことからも、改めて、現代ではあまり【かいが】という読み方は一般的ではないということが推察されます。

また、最後の例文のように【する】をつける表現は【かいが】の場合にはあり得ますが、【けげん】と読ませることは【けげんする】となり不自然ですよね。

このことから、【かいが】と読む場合のみの役割があることも分かります!

怪訝の類語は?

それでは次に、“怪訝”の類語を調べてみたいと思います!

  • 疑わしい・・・状況を考え合わせると納得がいかない
  • 怪異(かいい)・・・理屈や常識などでは、とうてい理解できない不思議なこと
  • 訝しい(いぶかしい)・・・どうしても合点がいかない
  • 不可解(ふかかい)・・・理解しようとしても理解できないこと
    (以上 角川学芸出版『類語国語辞典』より 「不可解」の意味については 小学館『デジタル大辞泉』より)

といった表現が辞書には載っていました。

しかし、「不思議に思う」「納得がいかない」という両方のニュアンスを持つ表現は“怪訝”以外には見つけられませんでした。

ですので、“怪訝”を言い換えるときには、状況に合わせて使用することが大切ということが分かります。

怪訝の英語表記は?

最後に、“怪訝”を英語でどう表現するのか確認していきたいと思います!

  • dubious〔疑わしげな〕
  • perplexed〔不思議でまごついた〕(以上2例文 小学館『プログレッシブ和英中辞典』)
  • questioning〔尋ねるような、不審そうな〕(研究社 『新和英中辞典』)

【perplexed】の元のかたちは【perplex】(困らせる、当惑させる)です。

また、【questioning】は【question】(質問 質疑 疑問文 疑い など)の現在分詞形です。

【question】は一般的にもなじみ深い単語ですね!

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました!

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