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由緒の意味や読み方は?正しい使い方の例文から類義語!来歴との違いも!

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先日、雑誌をみていたところ「由緒ある、英国ブランド」という一文が出てきました。

“由緒”という表現、聞いたことはありますが、なんとなくでやり過ごしてきました・・・

今回は、“由緒”について調べていきたいと思います!

由緒の意味や読み方は?

では最初に、辞書を使って“由緒”の読みと意味を確認していきましょう!

【由緒】―各辞書の記載―

  • ゆいしょ【由緒】
    ① 物事の起こり。また、今に至るまでのいきさつ。いわれ。
    ② 現在に至るまでのりっぱな歴史。来歴。
    (小学館『デジタル大辞泉』より)
  • ゆいしょ【由緒】
    ① 物事の由来した端緒。物事のそもそもの起こり。また、物事の今に至るゆえん。伝えて来た事柄。来歴。いわれ。
    ② 物事を行なうとき、その正当性の裏づけとなる事柄。行動の根拠。特に中世、所領諸職を知行するいわれ。
    ③ 縁故。縁。ゆかり。
    (小学館『精選版 日本国語大辞典』より)
  • ゆいしょ【由緒】〔「ゆしょ」の慣用読み〕
    ①  物事の起こり。また、今に至るまでのすじみち。来歴。いわれ。
    ②  長い歴史を経て作りあげられた格式。
    (三省堂『大辞林 第三版』より)
  • ゆいしょ【由緒】
    ①物事の起こりと、今に至るまでの筋道。ゆえん。由来。
    ②りっぱな来歴。いわれ。
    (ベネッセコーポレーション『ベネッセ国語辞典 電子特別編集版』より)

辞書では、以上のように紹介されていました。

“由緒”は「ゆいしょ」と読むのが一般的なのですね!

【由】の字を「ゆい」と読ませる例は他に見当たりませんので、間違えないようにしたいですね!

それでは、自分なりに意味をまとめたいと思います!

【由緒】の意味と読み方のまとめ
<読み方>ゆいしょ
<意味>
物事の始まり、また、始まりから今に至るまでのいきさつ
立派な歴史

由緒の正しい使い方の例文は?

次に、“由緒”が具体的にはどのように使われるのか確認してみたいと思います。

まずは各辞書を確認してみます。

【辞書に記載されている例】

〈①「物事の始まり、また、始まりから今に至るまでのいきさつ」の意味の場合〉

  • 「行事の由緒をたずねる」
    (小学館『デジタル大辞泉』より)
  • 「神社の由緒を尋ねる」
    (三省堂『大辞林 第三版』より)
  • 「由緒をただす」
    (ベネッセコーポレーション『ベネッセ国語辞典 電子特別編集版』より)

〈②「立派な歴史」の意味の場合〉

  • 「由緒のある古寺」
  • 「由緒正しい美術品」
    (以上 小学館『デジタル大辞泉』より)
  • 「由緒のある家柄」
  • 「由緒正しい」
    (以上 三省堂『大辞林 第三版』より)
  • 「由緒ある寺」
    (ベネッセコーポレーション『ベネッセ国語辞典 電子特別編集版』より)

と、このような例文が記載されていました。

①②のどちらの例文でも、「」「神社」「行事」など歴史を感じさせるものに対して使われていますね!

【実際に文中で用いられている例】

  • よその由緒ある古い寺にも同じものが残っているかもしれません。
    (松本清張『球形の荒野 新装版(上)』より)
  • ・これは徳川禁教時代からひそかに伝えられた由緒つきのものである。
    (永井隆『ロザリオの鎖』より)
  • 由緒のある寺ではなかったが、境内に金箔を施した大蓮華を備えていた。
    (宇江佐真理『髪結い伊三次捕物余話 黒く塗れ』より)
  • ・由緒のある神社であるから、直義としても失礼なことはできなかった。
    (新田次郎『新田義貞(下)』より)
  • ・日本とは比較にならないほど古都の多い欧州でも、ここまで由緒が古い街は珍しい。
    (丈月城『カンピオーネ! 03 はじまりの物語』より)

やはり、「神社」「寺」と共に使われているものを多く見つけました!

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由緒の類義語は?

それでは、“由緒”に似た表現にはどのようなものがあるのでしょうか?

角川学芸出版『類語国語辞典』では“由緒”は【伝承:古くからのしきたりを使えること。その伝えられた事柄】の意味をもつ言葉のグループに分類されています。

このグループには他に、「来歴」「謂れ(いわれ)」「来由(らいゆ/らいゆう)」「由来」「因縁(いんねん)」「故事(こじ)」「歴史(れきし)」といった言葉も含まれます。

それぞれの意味を簡単にご紹介すると、

  • 来歴・・・物事の経てきた筋道
  • 謂れ(いわれ)・・・起源や歴史に関する古くからの言い伝え
  • 来由(らいゆ/らいゆう)・・・そのようになったいわれや訳
  • 由来・・・物事の起源。今まで経て来た筋道
  • 因縁(いんねん)・・・物事の起こり・由来。すべての原因
  • 故事(こじ)・・・昔の物事の起こりとなった事実・由来・言い伝え
  • 歴史(れきし)・・・昔からの人間社会の移り変わりの過程。その跡

となります。

由緒と来歴の違い!

上で見てきたように、“由緒”と【来歴】は意味の近いことばだと考えられます。

それでは、“由緒”と【来歴】はどのように違うのでしょうか。

【来歴】を辞書で調べてみると

  • 1 物事のそれまで経てきた次第。由緒。由来。「名画の来歴を調べる」「故事来歴」
  • 2 人の経歴。履歴。「半生の来歴を語る」
    (小学館『デジタル大辞泉』より)
  • ①  事物がこれまで経て来た筋道。由来。由緒。 「故事-」
  • ②  経歴。人の履歴。
    (三省堂『大辞林 第三版』より)

といった意味が紹介されています。

これを、“由緒”の意味と比較してみると、【来歴】には「立派な」というニュアンスが無いことが分かります。

つまり、「伝統の」「立派な」といったニュアンスを持たせたい場合には、“由緒”という表現を用いた方が適切だと考えられますね!

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まとめ

それでは最後に、ポイントをまとめます!

  • “由緒”は「ゆいしょ」と読む
  • 意味は、
    物事の始まり、また、始まりから今に至るまでのいきさつ
    立派な歴史
  • “由緒”には「立派な」というニュアンスがあるが【来歴】にはない

今回は“由緒”について調べてきました!

最後までお読みいただきありがとうございました!

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