イデオネラ・サカイエンシスという細菌が話題になっています。
プラスチックを食べる性質が特徴で、ここ最近プラゴミが世界的な問題になったことで、急激に注目を浴びるようになりました。
しかもなんとこの細菌、大阪の堺で見つかったというのです!
イデオネラ・サカイエンシスの詳細や、実現可能性について調べてみました。
イデオネラ・サカイエンシスとは何?
ペットボトルむしゃむしゃ 堺で発見の細菌、世界救う?https://t.co/dpUsnIGaov
大阪・堺市内で見つかった細菌に、ペットボトルを「食べる」性質があることがわかり、活用に向け研究が進んでいます。その名も「イデオネラ・サカイエンシス」。プラごみ削減の救世主になるかも👍 #京都工芸繊維大 pic.twitter.com/0XOkU4V3uN
— 朝日新聞デジタル編集部 (@asahicom) 2019年6月20日
イデオネラ・サカイエンシスは、イデオネラ属はコマモナス科に属するグラム陰性非芽胞形成好気性桿菌で極鞭毛を持ち運動する細菌のようです。
なんのことかよくわからないですが、鞭毛といえば、ミトコンドリアなどについていることで有名ですので、ミトコンドリアに近いのでしょうか?
そして、なんといっても重要な特徴は、イデオネラ・サカイエンシスはペットボトルの表面から発見され、ペット樹脂を分解する能力があることです。
プラゴミがG20の主要テーマの一つになるほど、世界の問題となった現代では、救世主になる存在として注目されています。
それにしても、ペットボトルが大量に使われだしたのは近代のことですよね。(正確にはわずか70年ほど前のことらしいです)
それを分解する性質があるということは、イデオネラ・サカイエンシスは、この70年間の間にプラスチックの存在に適応して進化したということなのでしょうか?気になりますね。
イデオネラ・サカイエンシスは大阪の堺で発見!
京都工芸繊維大学名誉教授の小田耕平さんが、ペットボトルなどのプラゴミ問題の対策を考えている際に発見したそうです。
小田耕平さんは、プラゴミを分解する細菌ならプラゴミの中にいるに違いないと、大阪府堺市のリサイクル工場のゴミを調べていました。
そして、採取されたサンプルから、イデオネラ・サカイエンシスが見つかり、ペットボトルなどに使われるポリエチレンテレフタレート(PET)を分解して栄養源としていることを突き止めたそうです。
名前はスウェーデンのルンドにあるイデオンサイエンスパークと、細菌が見つかった堺市からとって、2005年に名づけられました。
14年も前の発見ですが、イデオネラ・サカイエンシスの中から重要な酵素が見つかったことから、また注目を浴びています。
この酵素については、英ポーツマス大学と米国立再生可能エネルギー研究所(NREL)の共同チームが偶然発見したそうです。
イデオネラ・サカイエンシスはいつから実用可能になる?
この夢のようなイデオネラ・サカイエンシスですが、いつから実現可能になるのでしょうか?
最近、中国を始めとする新興国が、プラゴミの受け入れを辞めると発表したことで、急激に必要性が高まっております。
しかしながら、分解にかかる時間がかかること、大量処理に活用できないことが現状の課題のようで、実現見込みは今のところ立っていないそうです。
現状の実力では、「30℃の環境で6週間かけて親指の爪ほどのサイズのペット樹脂を完全に分解した。」というレベルであり、とても採用できるレベルではないですね。
酵素を発見したNRELによれば、世界の海にはペットボトルなどのプラスチックごみが毎年800万トンも廃棄されていて、2050年までには、海に生息する魚とプラスチックごみの体積が並ぶほどの量になる見通しだそうで、イデオネラ・サカイエンシスの一刻も早い実用化が待たれます。
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました!