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立錐の意味や読み方は?語源や類義語や英語表記!立錐の余地もないの意味は?

辞書

先日、サッカーに関する記事を読んでいたところ、「立錐の余地もないほどにサポーターが詰めかけ、スタジアムは一時騒然となった。」という文章がありました。

なんとなく文章全体の意味は分かるのですが、“立錐”という表現は、初めて見ました。

そこで、今回は“立錐”について調べていきたいと思います!

立錐の意味や読み方は?

まずは、辞書を使って“立錐”の読み方と意味を確認したいと思います!

【立錐】各辞書の意味

  • 〔りっすい〕【立錐】
    ・錐(きり)を立てること。
    (三省堂『大辞林 第三版』より)
    (小学館『デジタル大辞泉』より)
    (ベネッセコーポレーション『ベネッセ国語辞典 電子特別編集版』より)
  • 〔りっすい〕【立錐】
    ・錐(きり)を立てること。狭い土地のたとえ。
    (小学館『精選版 日本国語大辞典』より)

“立錐“は「りっすい」と読むのですね!

また、【錐】の字は、一文字だと「きり」と読みます。

木の板などに穴をあけるために使う、先のとがった工具のことですね。

また、意味は三つの辞書でほぼ同じ表現で説明されていました!

それでは、【立錐】の意味と読み方をまとめたいと思います!

【立錐】の意味と読み方のまとめ

<読み方>りっすい

<意味>錐を立てること。そこから派生して、場所が狭いことのたとえ。

立錐の語源は?

続いて、“立錐”の語源について調べていきたいと思います。

「語源由来辞典」によると、元々は中国の『史記』という歴史書に出てくる表現だったそうです。

『史記』は司馬遷(しばせん)によって編纂され、紀元前91年頃に成立したと言われています。

計130巻に及ぶ長大な作品で、これまでの日本の元号の出典元となったことでも知られています。

“立錐”は『史記』の中では

武王伐紂、封其後於宋。今秦失徳弃義、侵伐諸侯社稷、滅六國之後、使無立錐之地。

という文で出てきます。これを書き下すと、

「武王(ぶおう)、紂(ちゅう)を伐ち、その後を宋(そう)に封ぜり。今、秦(しん)、徳を失い義を捨て、諸侯の社稷(しゃしょく)を侵伐し、六国の後を滅ぼし、立錐の地無からしむ。」

となります。

社稷というのは、今でいう国家のことです。

とってもざっくり言うと、

「秦がいろんな国を滅ぼして、錐が立つほどの(小さな)土地も無くしてしまった。」

というような文と考えられます。

【立錐】の語源のまとめ

・“立錐”の語源は中国の歴史書『史記』から。

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「立錐の余地もない」の意味は?

さて、“立錐”の意味などを調べる中でよく目にする表現に、「立錐の余地もない」というものがあります。

実際、“立錐”の使用例を調べてみると、下の“立錐”は「立錐の余地もない」という表現で使われることが多いことが分かってきました。

  • 客は刻々と殖(ふ)えて、立錐の余地もないまでになった。
    (横溝正史『悪魔の設計図』より)
  • そうこうするうちに部屋は立錐の余地もないくらい人でいっぱいになってしまった。
    (ドストエフスキー・北垣信行訳『罪と罰(上)』より)
  • 応接室には幾組もの人々が立錐の余地もないほどつめこんで、モウモウたる紫煙をふいている。
    (坂口安吾『街はふるさと』より)
  • 高取というところに天満宮があって、三月初旬の大祭には、近在から境内に立錐の地もないほど人々が参詣した。
    (田山花袋『田舎教師』より)

そこで、「立錐の余地もない」の意味も辞書で改めて確認していきたいと思います。

【立錐の余地もない〔りっすいのよちもない〕】各辞書の意味

  • 人がたくさん集まって、わずかのすきまもない。
    (小学館『デジタル大辞泉』より)
  • 人がぎっしりつまっていて、少しのすきまもない。
    (三省堂『大辞林 第三版』より)
  • (錐(きり)を立てるほどのすきまもない意から)人が密集していたり満員であったりするたとえ。
    (ベネッセコーポレーション『ベネッセ国語辞典 電子特別編集版』より)
  • (きりを立てるほどの)わずかの透き間もないさま。
    (角川学芸出版『類語国語辞典』より)

それでは「立錐の余地もない」の意味もざっくりとまとめてみます!

【立錐の余地もない】の意味のまとめ

・人が多く集まっていて、わずかな隙間さえない

「立錐の余地もない」の類義語は?

では、“立錐の余地もない”の類語にはどのようなものがあるのでしょうか?

角川学芸出版『類語国語辞典』では【ぎゅう詰め】【鮨詰め(すしづめ)】【びっしり】【ぎしぎし】【目白押し(めじろおし)】といった表現を“立錐の余地もない”に近い意味をもつ言葉として、同じグループに分類しています。

では、それぞれの言葉の意味も簡単に確認しましょう!

  • ぎゅう詰め・・・少しも余地がないほど無理に詰めた状態。「ぎゅうぎゅう詰め」はぎゅう詰めを強めた言い方。
  • 鮨詰め(すしづめ)・・・透き間なくぎっしり詰まっているさま。
  • びっしり・・・一面に透き間なく埋め尽くしているさま。
  • ぎしぎし・・・無理に押し込んで詰めるさま。
  • 目白押し(めじろおし)・・・大勢が込み合って並ぶこと。

ちなみに、「目白押し」の目白というのは、鳥の一種のメジロのことなのだそうです。

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「立錐の余地もない」の英語表記は?

最後に、英語では“立錐の余地もない”をどのように表現するのか、見ていきましょう!

研究社 『新和英中辞典』では“立錐の余地もない”の訳として以下のような表現が紹介されています。

  • be tightly・・・びっしりと、かたく
  • closely・・・接近して、ぴったりと、きっちりと
  • packed・・・込み合った、詰まった、(…が)いっぱいの、満員で、固くなった
  • be packed full・・・立錐の余地もない

tightlyの元の形【tight】は日本語でも「タイトなスケジュール」「タイトスカート」などの表現で馴染みがありますね。

まとめ

それでは最後に今回のポイントのまとめです!

  • “立錐”の読みは「りっすい」。
  • 立錐の余地もない”という表現で主に使われる。
  • “立錐の余地もない”は「人が多く集まっていて、わずかな隙間さえない」という意味。

今回はこれでおしまいです。

それでは最後までお読みいただきありがとうございました!

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